博物館明治村の人気シリーズ『江戸川乱歩の不完全な事件帖』
　　　明治生まれにして、日本の推理小説の草分け「江戸川乱歩」の作品をモチーフにした、ある奇怪な事件の物語―――

　　　■ストーリー
　　　確かな事実だけを記事にすることを信念とした明治新聞社の若き女性編集長“春子”。
　　　彼女のいる編集長室からは、紙の上を通る筆の音や、何か思い煩うような苦悶の声が、さも悲しげな調子で響いている。

　　　太郎「春子さん、それって日記帳ですか！？原稿執筆の参考に、僕にも見せてくださいよ?」

　　　ここでいう“日記帳”とはこの新聞社の日報のようなもので、
　　　取材班が日々の報告として編集長に毎日提出しているものだ。

　　　春子「本当なら社外秘なんだけど……まあいいわ、はいこれ」

　　　太郎「あれ、そっちは見せてくれないんですか？」

　　　春子「こ、これはダメなの。今渡したもので十分でしょう？」

　　　大事そうに抱えるその日記帳こそ、敏腕記者“金之助”のそれだったのである。
　　　その日記帳への強い興味にかられ、太郎は調査に動き出すのであった──