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マル秘!メタ解きの極意


※この先の記事は筆者の個人的見解をメーッチャ含んだ内容になっています。
読む際は画面から離れ、心を海のように広くしてご覧ください※

突然ですが皆さん!「メタ解き」ってご存知ですか?
「メタ」とは古代ギリシャ語で「あとに」という意味で、今だと「ある学問や視点の外側にたって見る」ことを意味するそうです。
「メタバース」とか「メタフィクション」とかの言葉で聞いたことがある人もいるかもしれませんね。

で!

謎解きの「メタ」解きとは?というと…


ストーリーやキットの模様等、問題文以外の要素から”推測して”答えを導く


……という、なんとも制作者泣かせな解き方を指します。
「メタる」面白さ
私たち制作会社にとっては、「メタ解き」はあまり良いものとはされません。
「出来れば正規ルートで解いてほしいなあ、せっかくギミック(※キットの仕掛けや謎の仕組みなどのことです)とか謎とか色々考えたんだし」という気持ちは正直メッチャあります。

でも…

ダメといわれるとやってみたくなるのが人の心。
コンシューマーゲームでも”抜け穴”や”裏ワザ”と言われるとワクワクしてしまう人は少なくないはず。
しかもそれで他の人より早くクリアできちゃったりなんかしたらもう優越感もマシマシです。

ということで、今回は本っ当に特別に、ここだけの「メタ解き」の極意をお伝えしちゃいます♪

……あ、でもくれぐれもこうした方法、大っぴらにやってはダメですよ。やるなら自分個人で楽しむ範囲で、内緒で、です!
メタる三段階
メタ解きには、いくつか方法があります。誰でもできる簡単なものから、ある程度謎解きの経験値を積まないと使えないものまで……今回は代表的なものを難易度に応じて3つご紹介します。

初級 それっぽい答えを想像せよ

まずは一番簡単かつよくある「メタ」をご紹介。

例えばこんな問題があるとします。
答えは「①②③②」

これだけであれば、普通の謎です。
最後の答えが4文字の言葉になるように、当てはまる動物の名前をあれこれ埋めてみつつ解くのが想定される正規ルートでしょうか。

でもこの謎のそばに
こんな感じの「ペンギンっぽいキャラクター」がいたらどうでしょうか?
「4文字……もしかして答えって『ペンギン』かも?」と推測できるわけです。

あとは数字部分に「ぺ」「ン」「ギ」を入れてみて、成り立つことが確認できたらこの謎の解読は完了です。

こんな風に、メタ解きではまず物語や周囲の絵などから「それらしい答え」を想定し、それを問題に当てはめて解読します。謎で確かめ算をするイメージですね。

上記の謎で言えば、色々な動物の名前を当てはめる必要がなくなるので、うまく成り立てば大幅に時間を短縮して解くことができるわけです。
(熊が食べたい、魚系のもの……答えは「鮭」だ!)
……まあ、うまくいかないこともあるのですが。


中級 言葉を作り出せ
ここからは、ちょっとした謎解きのセオリーを使う方法。過去に謎解きをやったことがある人の方が実践しやすいかもしれません。

その方法とは、「キットにある情報を組み合わせる」こと。
謎解きには、「キット」(または「参加キット」)というモノを使用する場合があります。形は2つ折りの紙だったり、本のような冊子だったりと様々ですが、多くの場合”謎解きの問題集”や”謎を解くための道具”で構成されていて、それを読んだり組み合わせたりして解読に挑んでいきます。

例えば、キットにこんな感じの
「不思議な模様がついた宝箱」が描かれているとします。
そして、少しめくった別のページにはこんな「半分になった宝箱の絵」が。

画風も似ていて、なんだか組み合わせられそうですね。
試しに折ってみると……
「ハッケン!」という言葉が出てきました。ということは、これはキット内のどこかの問題の答えになるのかもしれません。

……というように。
まずは組み合わせられそうなところを組み合わせてみて、意味のある言葉や絵を作る。そのあとで、キットから「この答えになりそうな謎」を探す。(実際このキットでは「たからばこあけろ」という答えになる謎がありました)

本来の解読ルートからは完全に逆走していますが、こういう解き方もまた「メタ」な解き方の1つです。


上級 違和感を見つけ出せ
最後はこの方法。ずばり「キットの違和感に気づく」こと。
分かりやすいもので言えば、「文章や改行のずれ」が挙げられます。
普段なら漢字で書かれるところがひらがなになっていたり、不自然に文字の間隔が空いていたり……
おかしいな、と思うところをタテ読みなどしてみると、意味のある文章が出てくることはままあります。

また、上記の応用でこんなものも。
普通指のマークは上に向かって立てられている場合が多いですが、これは何故かナナメ。
試しに指先を読んでみると……
「まチがい探し白(間違い探ししろ)」と出てきました。ということは、のちにキットの中の謎で間違い探しをする必要のあるものが出てくるのかもしれません。

……というように。

他にも、ちょっと紙が分厚いキットがあれば「二重になっていないかな?」と試してみたり
手触りが他と違えば「特殊な印刷の紙かな」と疑ってみたり……
問題文の指示があるより早く、ちょっとした違和感から先の答えを突き止められた時の気分はまるで名探偵です。

ですが、この方法でメタるには多くの謎解きに触れ、あらかじめ「こういう謎がある」という知識を蓄えておく必要があります。
また、指示にしたがって順番通り解いた方が物語への没入感は高いので、そうした楽しみ方をしたい場合はおすすめしません。
「メタ解き」で進化する謎
いかがでしたか?
「メタ解き」とはただ時間を短縮するためだけのものでなく、今までの自分の経験値・知識・観察力をもとに別ルートで正解を目指すもの。謎解きを別の角度から楽しむ方法の1つとも言えます。

しかし!!

我々謎制作側も負けてはいません。
限りなくメタれそうに見えて全然答えとは違うダミーを入れたり、メタれないようなギミックを開発したり……
特に高難易度の謎や時間制限系の謎は、絶対にメタりたい解読者たちvs絶対にメタらせたくない制作者の熾烈な読み合いを経て生まれてくるといっても過言ではありません。
※画像はイメージです

解読者と制作者が切磋琢磨することで、より複雑で面白い謎が生まれるという側面もあります。「メタ解き」はそれ自体が悪いもの、というわけではないのです。

ただし、最初にお伝えした通り、やる場合は個人で楽しむ範囲で。
特に、一緒にプレイしている人やその場の他の参加者が正式なルートで謎解きを楽しもうとしている場合、「メタ解き」をおこなうとその楽しみを奪ってしまう可能性もあります。どうかお取り扱いは慎重に。

謎解きの間口が広がり、プレイ人口も増えた今日この頃。
個々人それぞれの方法で楽しむ時、誰かと一緒に楽しむ時……状況に応じた方法でみんなが「解く」ことを楽しんでくれるといいなと願って、この記事の〆とさせていただきます。